🧭 この記事の目的
これまでの記事では、
- ニュースフィルタ
- 時間帯フィルタ
- ボラ急拡大フィルタ
によって「事故環境」を回避する方法を整理しました。
しかし、どれだけ環境を選別しても、
ナンピン系EAに“ゼロリスク”は存在しません。
最終的に生存を分けるのは、ロジックの優劣ではなく、
資金管理の設計思想
です。
本記事では、ナンピン系EAを前提とした資金管理の考え方を体系的に整理します。
1. ナンピン系EAの本質的リスク
ナンピン系は、
- 小さな利益を積み上げる
- ごくまれに大きなドローダウンが発生する
という「分布の歪み」を持つ戦略です。
つまり、
問題は“勝てるか”ではなく
“最大損失に耐えられるか”
です。
この最大損失に耐えられない設計こそが、退場の原因になります。
2. ロット設計は“利益”からではなく“最大DD”から逆算する
よくある誤りは、
- 月利◯%を目標にロットを決めること
です。
しかし、ナンピン系では正しい順番は逆です。
想定最大逆行幅 → 許容DD → ロット決定
という流れになります。
■ 基本的な考え方
例として:
- 口座残高:100万円
- 許容DD:20万円(20%)
- 想定最大逆行幅:150ドル
この場合、
150ドル逆行しても20万円以内に収まるロット
が適正ロットになります。
ここを超えるロット設定は、
“勝てる時は勝てるが、いずれ退場する設計”です。
3. 許容DDの目安
ナンピン系における現実的な目安は以下です。
| 許容DD | 評価 |
|---|---|
| 10%以下 | 超保守型 |
| 15〜20% | 実務的上限 |
| 30%以上 | 高リスク領域 |
重要なのは、
精神的に耐えられる水準かどうか
です。
DDが20%を超えた瞬間に設定をいじるのであれば、
そのロットは最初から過大です。
4. 強制停止ラインを事前に決める
資金管理で最も重要なのは、
「どこで止めるか」を事前に決めること
です。
例:
- DD −15% → 新規停止
- DD −20% → EA停止
- DD −25% → 全決済
このルールを事前に決めておくことで、
感情による判断ミスを防げます。
資金管理を考える上で、EAごとの特性を理解することが重要です。
5. レバレッジは“攻め”ではなく“余力”のために使う
高レバレッジは、
- ロットを上げるために使うものではありません。
本来の使い方は、
証拠金維持率を高く保つため
です。
ナンピン系では、
- 証拠金維持率500%以上を目安
- 強制ロスカットに近づかない設計
が基本になります。
6. 口座分割というリスク管理
ナンピン系を1口座集中で運用することは、リスクが高いです。
■ 推奨構成
- 資金を複数口座に分散
- EAごとに資金を分離
- 1口座の損失=全資産の損失にしない
これにより、
単一EAの暴走=全滅
という事態を防げます。
ただ、ブローカーによっては複数口座に跨る同一通貨ペアの両建ては禁止されているため要チェックです。(例 : 口座A→XAUUSDでSell、口座B→XAUUSDでBuy のようなケース)
7. ロット増加の禁止
ナンピン系最大の事故原因は、
「調子が良いときにロットを上げること」
です。
連勝後にロットを上げる行為は、
- 事故発生時の損失を倍増させます。
原則:
- ロットは固定
- 利益増加=出金
が安全設計です。
8. “時間”もリスクである
ナンピン系では、
- 急変動そのものより
- 戻らない時間の継続
が危険です。
そのため、
- DDが◯時間以上継続 → 停止
- セッション跨ぎで戻らない → 見直し
といった時間基準の管理も有効です。
最終まとめ
ナンピン系EAで退場しないために必要なのは、
- 環境フィルタで事故率を下げる
- 最大DDから逆算したロット設計
- 強制停止ラインの事前設定
- レバレッジ余力の確保
- 口座分散
です。
ナンピン系は、
ロジックで勝つ戦略ではなく
設計で生き残る戦略
です。
資金管理を誤れば、
どれだけ優秀なEAでも、いずれ退場します。

コメント