MA_Stacker_EQ_Guardはどんな相場で危険になる?最大DDにつながった相場環境を徹底分析

🧭 この記事の目的

本記事では、MA_Stacker_EQ_Guard(以下、MAEQ)のフォワードテストをもとに、
どのような相場環境で大きなドローダウンが発生しやすいのかを実データで検証します。

リスクを抱えていた相場を分析することで、その相場環境に一貫性があるのか、回避できるとしたらどの手段が考えられ、再現性は高いのか等、このEAの取説がハッキリと浮かび上がってくるかと思います。

MAEQにおける大規模ドローダウンの分析

本記事では、MAEQ系ナンピンEAのフォワードテスト中に発生した
5000ドル以上の複数のドローダウン事例 を対象に分析を行いました。

分析の結果、
DDはランダムではなく「明確な型」があることが分かりました。
主に以下の3点の視点からそれらを解剖してみました。

  • 各DDの発生状況
  • ファンダ要因かテクニカル要因か
  • 回避可能だったかどうか

1. 分析対象となるドローダウン事例

①2025/12/5 18:00付近 Buy (約40ドル急落)

■ 発生状況

  • MT4時間(UTC+2h) 18時台
  • 約40ドルの急落
  • 含み損急拡大

■ 要因

  • 米PCE物価指数発表
  • FRB利下げ観測修正
  • ドル上昇・金利上昇

■ 分類

👉 ファンダメンタルズ主導型

MT4時間の17時40分付近で初期ロットを投入し、18時前までにナンピンを繰り返し最大ポジションまで保有。その後18時15分時点で重要経済指標による急変動を受けDD幅が膨らんでいます。

発表されたのは米国の個人消費支出(PCE)物価指数とコアPCE(食品・エネルギー除く)で、FRBが重視するインフレ指標の一つ。GOLDの市場はFRB関連指標で振れやすいため、これら指標の発表前後の取引は控える方がDDを回避するためには良いかもしれません。

②2025/11/3 3:00付近 Sell (薄商いブレイク)

■ 発生状況

  • アジア時間
  • レンジ圧縮後の一方向ブレイク
  • 戻りが浅い

■ 要因

  • 流動性低下
  • ストップロス狩り
  • テクニカルブレイク

■ 分類

👉 低ボラ時間帯の構造型

MT4時間の3時付近で初期ロットを投入し、3時15分ごろに最大ポジションまでナンピン、その後緩やかに市場は逆方向にのび、翌日1時まで含み損が発生しました。

この時間帯はアジア薄商い&ロンドンオープン前ということもあり、ボラティリティが低い局面でした。低ボラティリティの相場ではブレイク方向にトレンドが発生し易いため、じわじわと含み損が増えるケースがあります。

流動性が低下し易い時間帯ですので、稼働すると事故りやすい時間帯となります。

③ 2025/12/2 12:00〜17:00 Sell (セッション衝突型)

■ 発生状況

  • ロンドン後半〜NY開始
  • 上下に大きく振れる
  • 出来高急増

■ 要因

  • 欧州勢とNY勢のポジション衝突
  • ボラ急拡大
  • ヒゲ連発

■ 分類

👉 出来高急増+価格乖離型(テクニカル)

この時間の相場の特徴は、ロンドン市場後半で価格が上昇するも、そこからNY市場に突入し大陰線をつけ、その後全戻し近い反発をつけています。そして価格の上昇に伴い、出来高も増加していました。

これは、典型的なロンドンとNYのセッション重複によるボラティリティ拡大が起因していると考えます。この時間帯は、欧州勢と米国勢の参加が重なる「市場参加者が最も増える時間帯」です。そのため、方向性が出た場合には、価格が短時間で大きく動きやすい特徴があります。

実際のチャートでは、以下のような変化が見られました。

  • 直前のレンジと比較してローソク足の実体が明らかに拡大している
  • 高値−安値のレンジ幅が急増している
  • 長いヒゲを伴う大陽線・大陰線が出現している
  • Tick Volume(出来高)が急増している

重要なのは、単純に「常にボラティリティが高い相場」だったのではなく、

低ボラティリティの状態から、急激にボラティリティが拡大した局面であった

という点です。

ナンピン系EAにとって本当に危険なのは、継続的な高ボラ相場よりも、

ボラティリティが“急激に拡大する瞬間”

です。

この局面では、ATR(平均真幅)で確認しても、通常時と比較して明確な上昇が発生していた可能性が高いと考えられます。従って、

  • ATR急拡大フィルタ
  • 出来高急増フィルタ
  • 移動平均線からの乖離率フィルタ

といった「ボラ急拡大型」を検知する仕組みは、セッション衝突型ドローダウンの回避策として有効であると考えられます。

④2025/11/27 18:15〜翌7:15 Sell(トレンド持ち越し)

■ 発生状況

  • NY時間で方向性形成
  • アジア時間まで継続
  • 長時間戻らない

■ 要因

  • 一方向トレンド継続
  • セッション跨ぎ
  • ポジション偏り

■ 分類

👉 価格乖離拡大型(テクニカル)

11/27 18時30分付近で初期ロットのエントリーを開始し、そのままズルズルと逆方向へトレンドが時間をかけて継続し大きなDDへと発展しました。
この局面では、ニューヨーク時間帯に方向性が形成され、その流れがアジア時間帯まで持ち越されました。

チャート上では以下のような特徴が確認できます。

  • ニューヨーク時間に強い一方向の値動きが発生
  • 高値(または安値)圏での揉み合いが継続
  • 明確な反転シグナルが出ないまま時間経過
  • セッションを跨いでも価格が戻らない

つまり、「急激に動いた」というよりも、「戻らない状態が長時間続いた」ことがドローダウン拡大の要因でした。
この局面では、FOMCやCPI、雇用統計といった主要経済指標の発表は確認されていません。

そのため、このドローダウンは

ファンダメンタルズ主導型ではなく、テクニカル主導型のトレンド継続局面

であったと考えられます。

市場参加者のポジション偏りや、セッション間の需給の引き継ぎによって、一方向の流れが維持された可能性が高い局面です。
このタイプのDDを軽減するためには、NY後半での新規エントリー制限や、セッション跨ぎ時のポジション抑制などが有効かと考えます。

⑤2025/12/24 4:00 Buy(クリスマスイブ急落)

■ 発生状況

  • 祝日前
  • 流動性極端低下
  • 突発的急落

■ 要因

  • 市場参加者減少
  • 板の薄さ
  • アルゴ主導

■ 分類

👉 低ボラ時間帯型(流動性崩壊)

この局面は分かりやすいですね。12/24 4時頃に初期ロットでエントリーしましたが、相場は逆方向に転換し、約7,400ドルの含み損を抱えました。クリスマス~年末にかけた市場参加者減少による、ボラティリティ低下が原因かと考えます。

特に海外は日本よりもクリスマス休暇への意識が高く、クリスマス~年始の重要指標発表までは稼働を停止させる事をユーザーに公言しているEAも存在します。

トレードの事は一旦忘れて、家族でゆったり過ごす時間にした方がいい時期と思います!!

5つのドローダウン事例から見えた共通点と本質

今回検証した5つのドローダウン事例を振り返ると、それぞれ発生状況や値動きの形は異なっていました。

  • 重要経済指標による急落
  • 薄商い時間帯でのブレイク
  • セッション重複によるボラティリティ急拡大
  • セッションを跨いだトレンド継続
  • 祝日前の流動性低下

一見すると、すべて別々の原因による偶発的な事象に見えます。

しかし、全体を俯瞰すると、これらのドローダウンには明確な共通点がありました


■ 共通点①:一方向に「戻らない」局面であること

ナンピン系EAにとって最も危険なのは、単純な急騰・急落ではありません。

本当に致命的なのは、

価格が一方向に大きく乖離し、その後十分に戻らない局面

です。

今回の5事例はいずれも、「戻らない時間」が発生していました。
その結果、ポジションが積み上がり、ドローダウンが拡大しています。


■ 共通点②:事前に“環境変化”の兆候が存在していたこと

各ケースを整理すると、発生前には以下のような環境変化がありました。

  • 経済指標の発表予定
  • 流動性が低下する時間帯
  • 出来高の急増
  • ATRやレンジ幅の拡大
  • 移動平均線からの価格乖離拡大

つまり、完全な「予測不能」ではなく、

相場環境の変化を検知できる可能性があった局面

であったと言えます。


■ 共通点③:ボラティリティの“質”が変化していたこと

単純に「ボラティリティが高い」相場が危険なのではありません。

  • 低ボラから急拡大する局面
  • 中程度のボラが持続するトレンド局面
  • 流動性低下により価格が飛びやすい局面

といった、「ボラの質」が変化するタイミングこそが危険でした。

これはランダムではなく、時間帯・指標・セッション構造と密接に関係しています。


結論:ドローダウンは“型”で発生している

今回の検証から明確になったことは、

大規模ドローダウンは偶然ではなく、一定の相場環境下で発生する“型”が存在する

という点です。

その型は大きく分けて、

  • 指標発表型
  • 低流動性型
  • ボラ急拡大・価格乖離型

に分類できます。

これらはすべて、

  • 時間帯フィルタ
  • 経済指標フィルタ
  • 出来高・ATR・価格乖離フィルタ

によって回避、あるいは発生確率を低減できる可能性があります


最終的な示唆

ナンピン系EAのリスク管理において重要なのは、

「戻るかどうかを信じること」ではなく、
「戻らない可能性が高い環境を避けること」

です。

今回の5事例は、その重要性を示す具体例でした。

適切な環境フィルタを導入することで、大規模ドローダウンの発生確率は統計的に抑制できると考えられます。

次のページでは、上記で挙げたフィルタの具体的な実装手法についてまとめました。是非ご覧ください!!

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