🧭 この記事の目的
本記事では、シストレ.comで販売されている人気有料EA「ROSE」を題材に、
その資金管理方法について、実際の分析を交えてお伝えしていきます。
これを見れば、安全にトレードをするために必要な資金はどの程度か、それに対するロットや損切り額はどのくらいが適正か、が分かるようになっています!!
本記事は、「ROSEがなぜ破綻し得るのか」という理論を理解した上で読むと、より効果的です。
まだ読んでいない方はこちらから先にどうぞ。
なぜROSEは「資金管理」がすべてなのか?
ROSEは、いわゆる「勝率が高いEA」ではありません。
むしろ本質は、一度一度のトレードで小さな利益を積み上げる代わりに、含み損を抱えるリスクを受け入れるEAです。
そのため、ROSEを評価する上で
「月利はどれくらいか?」
「フォワードテストは右肩上がりか?」
といった点だけを見てしまうと、最も重要なリスクを見落とすことになります。
ROSEにおいて本当に見るべきなのは、
「どこまで耐えられる設計になっているか」
つまり、資金管理そのものです。
ROSEは勝率で勝つEAではない
ROSEはマーチンゲール系のロジックを採用しています。
これは、相場が想定と逆行した場合にポジションを追加し、
反発したタイミングでまとめて利益を確定する仕組みです。
この構造上、
- 平常時:小さな利益が安定して積み上がる
- 想定外の相場:含み損が一気に膨らむ
という、非常にメリハリの強い損益構造になります。
つまりROSEは、
「どれだけ勝てるか」より
「どこまで負けに耐えられるか」
が先に決まるEAです。
この前提を理解せずに運用すると、
短期間で積み上げた利益を、たった一度の相場で失うことも珍しくありません。
利益曲線だけを見てはいけない理由
シストレ.comなどで公開されているROSEのフォワードテストを見ると、
一見すると非常に綺麗な右肩上がりの曲線が並んでいます。
しかし、ここには大きな落とし穴があります。
多くの場合、表示されているのは確定損益ベースのグラフであり、
運用中に発生している「含み損の深さ」はほとんど意識されていません。
実際には、
- 含み損が証拠金の数倍まで膨らんでいた
- たまたま戻ったから生き残っているだけ
というケースも多く、
グラフの見た目と実際のリスクは大きく乖離します。
だからこそ本記事では、
- 最大DD(最大含み損)
- 資金ロード率(どれだけ資金が沈んだか)
といった 「破綻に直結する指標」 を使って、
ROSEの資金管理を客観的に検証していきます。
本記事で使用する資金管理指標の定義
本記事では、ROSEのリスクを感覚や印象ではなく、
数値で客観的に評価することを目的としています。
そのため、一般的なEAレビューでよく使われる
「月利」「勝率」「プロフィットファクター」だけでなく、
破綻リスクを直接測れる指標を重視します。
ここでは、以降の分析で使用する指標を明確に定義します。
最大DD(最大ドローダウン)の定義
本記事における最大DDは、
**確定損益ではなく、含み損を含めた「最大の沈み幅」**を指します。
具体的には、
- 運用中の評価損益(Equity)を基準
- 過去の最高到達点(Peak)から
- どれだけ資金が下落したか
を計算しています。
これは、一般的なストラテジーテスターで使われる
Equityベースの最大DDと同じ考え方です。
マーチン系EAにおいては、
「確定DD」よりも「含み損DD」の方が
口座破綻に直結する重要な指標となります。
資金ロード率の定義(本記事の最重要指標)
資金ロード率とは、
最大DD ÷ 初期証拠金 × 100(%)
で算出される指標です。
これは、
- 初期証拠金に対して
- 最大でどれだけ資金が沈んだか
をパーセンテージで示します。
例えば、
- 初期証拠金:10,000ドル
- 最大DD:-5,000ドル
であれば、資金ロード率は 50% です。
本記事では、以下の目安で評価します。
| 資金ロード率 | 評価 |
|---|---|
| ~30% | 比較的安全 |
| 30~60% | 注意 |
| 60~100% | 高リスク |
| 100%以上 | 破綻級 |
※100%を超える場合、
理論上はロスカット水準に到達する可能性があります。
なぜ「資金ロード率」を重視するのか?
マーチン系EAは、
- 利益はゆっくり
- 含み損は一気に膨らむ
という特性があります。そのため、
「今はいくら儲かっているか」
よりも、
「最悪、どこまで沈む可能性があるか」
を把握していないと、ロット設定を一つ間違えただけで即破綻します。
ROSEを安全に使うためには、資金ロード率を把握した上で、
- 証拠金
- ロット
- 許容リスク
を設計することが不可欠です。
ROSEのデフォルト設定は本当に安全なのか??
ここからが本題です。
ROSEは、シストレ.com上で
「ナンピンマーチン系としては比較的安全」「初心者でも使いやすい」と紹介されることが多いEAです。
しかし、それは 本当に事実なのでしょうか?
デフォルト設定=安全、とは限らない
多くの人は、
「デフォルト設定(開発者推奨設定)だから大丈夫だろう」
という感覚でEAを導入します。
ですが、これは非常に危険な考え方です。
なぜなら、EAのデフォルト設定は、
- あらゆる証拠金
- あらゆる相場環境
- あらゆる運用期間
を保証するものではないからです。
特にROSEのようなマーチン系EAでは、
ロット設定=リスク設定そのものです。
実データで見たデフォルト設定の資金ロード率
本記事では、
ROSEをデフォルトロットで運用した場合について、
- 最大DD
- 資金ロード率
を実データから算出しています。
その結果、
資金ロード率が100%を超えるケースが確認されました。
これはつまり、
「相場次第では、証拠金が全て沈む可能性がある」
ということを意味します。
フォワードテストのグラフが右肩上がりであっても、
その裏で口座破綻レベルの含み損を抱えていた可能性がある
という点は、決して無視できません。
ROSEは「設定次第で化けるEA」
誤解してほしくないのは、
ROSE自体が「危険なEA」だと言いたいわけではありません!
ROSEはむしろ、
- ロジックが明快
- リスクの正体が数値で見える
- 資金管理次第で安全ラインを作れる
という点で、分析向き・管理向きのEAです。
問題なのは、
デフォルト設定を「安全」と誤解したまま使うこと
これに尽きます。
ロット別に見る想定最大DDと破綻ライン
ここからは、ROSEを運用する上で最も重要な
**「ロット × 最大DD × 破綻リスク」**の関係を整理していきます。
マーチン系EAは、
ロットを少し上げるだけで 最大DDが急激に増加する可能性があります。
そのため、
「このロットならどこまで耐えられるのか」
「どこからが破綻ラインなのか」
を事前に把握しておく必要があります。
想定最大DDとは何か?
本記事でいう「想定最大DD」とは、
- 過去データをもとに
- 実際に発生した 最大の含み損(Equityベース)
を指します。これは「将来必ず起きるDD」ではありませんが、
一度は起きたことがあるDD
という点で、リスク管理の基準として非常に重要です。
ロットと最大DDはほぼ比例関係になる
ROSEの場合、ロット倍率と最大DDは **ほぼ線形(比例)**で増加します。
例えば、
- デフォルトロットで最大DDが -3,500ドル
- ロットを2倍にすると最大DDは約 -7,000ドル
- ロットを5倍にすると約 -17,500ドル
といった具合です。つまり、
ロット設定 = 最大DDの倍率設定
と考えて問題ありません。
(厳密には、ROSEのようなEAは変則マーチン方式なので、マーチン開始時のロット次第では、最大DDが単純な比例関係にならないことがあります。これは最大DDのみならず、1トレード当たりの利益に関しても同様の事が言えます。)
破綻ラインの考え方(超重要)
次に、「破綻ライン」をどう定義するかを整理します。
破綻とは「証拠金がゼロになること」ではない
多くの人が勘違いしがちですが、
破綻とは 証拠金がゼロになることではありません。
実際には、
- 証拠金維持率の低下
- ロスカット水準への到達
- 精神的に耐えられず手動損切り
このどれかが起きた時点で、
運用は事実上終了します。
そのため本記事では、
資金ロード率100%前後を破綻級
と定義します。
資金ロード率から見た破綻リスク
資金ロード率別の評価目安は以下の通りです。
| 資金ロード率 | 状態 |
|---|---|
| ~30% | 比較的安全 |
| 30~60% | 注意 |
| 60~100% | 高リスク |
| 100%以上 | 破綻級 |
ROSEのようなマーチンEAでは、
60%を超えた時点で精神的・実務的にかなり厳しいのが実情です。
安全に運用できるロット帯とは?
ここまでを踏まえると、
「安全に運用できるロット帯」は次の条件を満たす必要があります。
- 想定最大DDでも
- 資金ロード率が 30~40%以内
- 想定外の相場でも 60%を超えない余裕
この条件を満たすロット帯こそが、
長期運用が可能な現実的ラインです。
「勝てるロット」より「生き残れるロット」
重要なのは、
月利を最大化するロット
ではなく
破綻せずに継続できるロット
です。
ROSEは一度破綻すれば、
それまで積み上げた利益はすべて失われます。
逆に言えば、
- 安全ロットで
- 淡々と運用を続けられれば
結果的にトータル利益は大きくなります。
初期証拠金を減らした場合のリスクマトリクス
次に、多くの人がやりがちな
「証拠金を減らして同じロットで回す」ケースを考えます。
初期証拠金を減らす=ロット倍率を上げるのと同じ
例えば、
- 初期証拠金:10,000ドル
- ロット:0.01
で運用していたものを、
- 初期証拠金:5,000ドル
- ロット:0.01
に変更すると、
実質的にはロットを2倍にしたのと同じリスクになります。
資金ロード率は単純に倍になります。
証拠金 × ロットのリスクマトリクス(考え方)
以下のようなマトリクスで考えると分かりやすいです。
| 初期証拠金 | ロット | 想定最大DD | 資金ロード率 | 評価 |
|---|---|---|---|---|
| 10,000 | 0.01 | -3,500 | 35% | 注意 |
| 5,000 | 0.01 | -3,500 | 70% | 高リスク |
| 10,000 | 0.02 | -7,000 | 70% | 高リスク |
| 20,000 | 0.01 | -3,500 | 17.5% | 比較的安全 |
このように、
証拠金を減らすことは、ロットを上げるのと同義
という点を、必ず意識する必要があります。
結論:ROSEは「資金管理が全て」
ROSEは、
- ロジックが明確
- DDの正体が見えやすい
- 数値で安全ラインを設計できる
という点で、
非常に資金管理向きのEAです。
しかしその反面、
ロットと証拠金の設計を誤ると
一瞬で破綻ラインに到達する
という厳しさも併せ持っています。
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ここまでの分析を踏まえると、ROSEは「設定次第で結果が大きく変わるEA」だと分かります。
次は、ROSEの危険性そのものを整理した記事をご覧ください。

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